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2014年11月23日 - 2014年11月29日

2014年11月24日 (月)

晩秋の太平山を歩く

 一週間前は風も冷たく、山には雪が降った。県の内陸部にも積雪がみられ
た。その後、暖気に戻ったことから、仁別から国民の森を経て旭又登山口に
至る林道は、まだ通行が可能なはずと思い立ち、でかけた。

 旭又駐車場には20台近く止められていた。山は落葉がほとんど終わって
いた。樹木の幹は朝の日を浴びて、光も影も直立した風景を広げている。葉
がないだけに奥の方の山肌にも光が差し込み、木々の影が斜めに落ちてい
る。すっきりした印象だ。

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 御手洗の地蔵さん二人には、また新たな赤い布の頭巾とマントがかけられ
ていた。これをした人の信仰心の篤さが思われる。この地蔵さんの寄り添う
姿はいつみても慈愛を感じ、頭や背中に施された赤い布がなおのことそうし
た思いを抱かせ、この山に来たことの印象を強くする。

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 御手洗から上になると雪を踏んで登る。先に人が歩いた路をたどる。路に
導かれて歩く。先人たちが昔歩いた路に連れていってもらう。過ぎたあのと
き、そして別のあのとき、なぜ人に素直にものを尋ねることをしなかったのだ
ろう。独りよがりでした判断の軽さを後日になって悔やんだことがあった。親
の顔、過ぎ去った人たちの顔が浮かんでは消える。

 思いにふけっているうちに、三人の外国人青年が下りてきた。こんにちわと
声をかけると、一人が応えてくれた。あとの二人が話しているのは英語のよ
うだ。国際教養大のひとたちかもしれない。以前、金山滝の登山口でも下山
の外国人とすれ違ったことがある。秋田の山でも英語の会話が交わされる、
こんなことは昨年までは見ることがなかった。

 ジグザグの路が南の方へ回り込むようになると、再び日が当たるようになっ
た。尾根に着くと、鐘からつりさげられた紐が、冬を間近に控え、柱に結わえ
つけられていた。山頂下の公衆トイレ前にロープが張られ、出入りを禁じてい
た。9月下旬に来た時は工事中でヘルメット姿の人に聞くと、汚水槽に土壌
処理装置を施すといっていた。汚物の方はバクテリアなど微生物の力を利用
するのではないか。すでに完工したはずだが、完工後、冬を前に閉鎖したも
のだろう。
 

 山頂小屋も冬仕舞をし、入口は開けようにもとっかかりがなく、右側の非常
時用の入口もいろいろ動かそうと試みたがびくともしなかった。それではと、
閉鎖された神社の土間に日が当たり、風もなく人もいなかったので、これ幸い
と裸になって下着を替え、雨具の下にもう一枚着込んだ。

 方位盤の脇に腰をおろして昼食をとった。山頂の東側
直下のブナ林が近くに見下ろせる。十年も前はもっと下に遠くに見えたので
はなかったか。ブナ林は年々近くに見えるようになってきたが、林の地面が
せりあがったような不思議の感にとらわれる。ほかの人にはどう見えている
のだろう。いつか聞いてみたい。
 
 

 人が登ってくる気配はなく、下山していった人も、駐車場の車の台数ほど
にはいなかった。宝蔵岳コースから来るにしても、だれか到着していてもよ
さそうなもの。どうも馬場目岳に向かった人もいるのではと思った。下山時、
弟子還沢をはさんだ向こうの宝蔵岳側の斜面が、濃紺が霞んだような深い
色合いをみせていた。斜め向こうからの日の角度がそこ一帯を陰にしてい
るので微妙に昏く、目を凝らすうち斜面は白い枝を張ったブナと黒っぽい杉
の混交した林になっていて、晩秋から初冬にかけての山の色を展開してい
るのだった。

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