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2015年10月 2日 (金)

滝ノ上温泉口から乳頭山へ(2)

 ゴーロ状の坂道をこなしつつ高度を上げて、青空の方へ突き進ん
でゆく。ほどなく石積みがあった。そこに立つとようやく乳頭山が見
え、いきなり強風に晒された。今日は甥も同行したが、二人とも雨
具を上下とも着込んで、乳頭山への登りを続けた。

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(↑石積みと乳頭山頂)

 11時20分山頂着。3時間かかった。風が強くて落ち着かないの
で、風の来ない分岐まで戻って昼食とした。下山は、もと来た路を
下る。バッタを見つけたので近くに寄ってカメラを向けると、草むら
に隠れた。さっきは、別のバッタが地面に横たわり、ときに弱弱しく
脚を動かしていた。山の上のこと、日が出て暖かいといってもたか
が知れている。朝晩はかなりの寒気があの小さく柔らかい体に差
し込むのだろう。ましてや今朝は岩手山頂には白いものが見えて
いたくらいだから。

P1040463


 濡れた岩に足は置かないように、滑りそうな路面に踵から踏みだ
さないように。慎重に足場を選ぶ。丁寧に下る。木道も濡れていれ
ば滑りやすい。

 マムシ坂から下の樹林帯になり、白沼に出る。秋の広葉樹林はさ
まざまな木々が色づき、木の実も赤く賑やかに風に揺れている。ブ
ナの大木は遠目でも存在感を備え、名の知らない白い老木も、種か
ら発芽したこの場所で春夏秋冬、裸になった枝は半年後には豊か
な葉を茂らせ、秋には色づき、そして葉を落とし、そうして雪や風と
戦いながら歳月を重ねてきたことを思えば、古老をみるような気持
ちになる。まだ粧い始めたばかりだ、葉を落とすにはまだ早いよ。

  段差があるところではヨッコラショとストックに頼りつつ下っていく。
空がすぐ頭上にあるハイマツ帯をゆくのとは違う、何かが自分の中
に起きている。葉が上を覆った林の路では、木々を見れば木々に、
風になびく葉に、揺れる木の実に、路に、石に、草むらに、風が体
を触っていけば風に、ふうーっと溶けて身体も感情もなくなり、目と
耳だけになって、山に融け込んだようで、それを“心地よさ”といえ
ばいえるような、そんな感じになる。靴は勝手に石ころが落ちるよ
うな音をさせている。

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 登る前は寂しく心細い路を想像していたが、どうして意外にもこ
のコースは、三時間の登路中変化を味わえる好ましい路だった。
行路中数か所の道標に書かれた山頂の名は「乳頭山」ではなく、
岩手の路らしく「烏帽子岳」とか「烏帽子岳(乳頭山)」と刻まれて
いた。駐車場は50台は停められる広さで、一面舗装されている。
一角には清潔なトイレを備えた休憩施設があった。下山後、三ツ
石山への登山口を探しに案内板に従ったが、橋を渡ってから左
へカーブするとすぐに見つかった。これも今回の登山の収穫だっ
た。

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